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4日目:石山寺(いしやまでら)

今回の旅は、生徒の一人、真言宗の僧侶の小佐野智照(おさのちしょう)さんが京都市山科区の「随心院(ずいしんいん)」に移られたことがきっかけです。随心院がどんなお寺なのか、そのお寺にお参りしたいと思い、だったら伊勢から吉野を回って行ってみようと考えたのです。

智照さんにはいつも色々な質問に答えていただいています。いつも感謝です。四国の善通寺にもいらしたことがあり、昨年のお遍路の折にも大変お世話になりました。その智照さんが「大津に宿泊されるなら石山寺がお近くですよ」とおっしゃったので、4日目はその石山寺からお参りを始めることにしました。

雨の石山寺へ

ということでまずは石山寺へ。あとで知ったのですが、紫式部が本堂から湖面に映る月を見て源氏物語の着想を得たとされるお寺です。

梅がきれいに咲いていました

境内には梅が咲いており、四季折々に咲くであろう樹木があり、庭を愛でながらの散歩はゆったりとした気分になります。この日の午前中はけっこうな雨でしたが、それもまた風情がありました。

寺の名前の謂れにもなった珪灰石


醍醐寺(だいごじ)

次に訪れたのは醍醐寺です。随心院のすぐ近くなので安易な気持ちで寄ってみたら、とても大きなお寺で全てを廻ろうとすると半日以上かかりそうな広い敷地です。不勉強でごめんなさい。

美しい三宝院庭園

今回の旅では全てを巡ることは出来ません。その代わり、仏像棟の中の仏様たちに、ゆったりと時間を使ってそれぞれの真言を唱えました。気持ちの良い仏様たちと暫しの交流があったように感じ、四国の霊場を巡っていた時に近い心持ちがしました。

この次はしっかりと時間を割いて全てを丁寧に巡りたいと思います。

エネルギーの強かった五重塔。中には何が?


随心院

さあ、今回の旅の最後にしてそもそもの目的の一つ「随心院」です。随心院は小野小町の由来のお寺と言われるだけあって、お寺の内部も華やかにお花が飾られていました。

随心院は小野小町の由来のお寺

お庭の梅園は遅咲きの梅「はねずの梅」の観梅会が開催されていました。派手さは無い梅たちですが、控えめな優しい花をつけています。随心院の歴史や仏様、襖絵など、智照さんから一つ一つ丁寧に説明を受けながら拝観させて頂きました。ありがとうございました。

智照さん、いつもありがとうございます

そのなかでも本堂には弘法大師空海さまの八代目の弟子、仁海(にんがい)僧正のお顔(像の写真)が掲げられていて、それがとっても素敵でした。仁海僧正は随心院を建立し、雨乞いの法を習得し雨を降らせることに成功したありがたい僧正です。

雨乞いの法に長けていたと言われる仁海僧正

雨を降らせるパワーを持った人は空海さんを始めとして絶対にいると私は信じています。仁海僧正は9回もの雨乞いに成功したそうです。今の世にこの秘法を受け継いでいる方はいないのでしょうか。仁海僧正さま、そちらの世界から世界の飢饉の土地に雨を降らしていただけないでしょうか(祈)

お酒

拝観後、智照さんとは夕食をご一緒させていただいたのですが、その時のよもやま話で、私が「空海さんはお酒に関してはどのような意見をお持ちだったのですか?」と質問させて頂きました。お返事としては「分からないので調べておきます」と言ってくださり、その後、しっかりとお返事を頂きました。

弟子たちに遺言した『御遺告』(ごゆいごう)にこう残されていたそうです。ご興味のある方はお読みください。

一.僧房の内にして酒を飲むべからざる縁起 第十九
そもそも考えてみれば、酒は病を癒やす珍、寒さを除く宝である。しかしながら、仏家〈仏教〉においては、大きな禍(わざわい)を引き起こすものである。そのようなことから、『長阿含経』に「飲酒に六種の過失がある」などと説かれ、『大智度論』には「三十五の過失がある」などと説かれる。また『梵網経』が(酒を売り、また飲んではならない、と)説くところには甚だ深い意味がある。ましてや秘密の門徒〈密教徒〉が、酒を愛し飲んで良いわけがない。このようなことから(飲酒は)禁止されるのだ。
ただし、青龍寺の大師〈恵果和尚〉と、その兄弟子で内供奉(ないぐぶ)十禅師であった順暁(じゅんぎょう)阿闍梨とが共に語らい、仮の事として「大乗開門の法に依り、病気療養の人であれば、塩と酒とを(薬として用いる事が)許されている」と言われていた。しかし、この言葉に依拠して、円坐の次いで〈衆僧が集まった折〉に平杯でもって酒を飲み散らしてはならない。もし(治療薬として)必ず用いなければならないことがあれば、(僧房の)外で瓶へい〈酒瓶〉ではない器に移し替えて持ち帰り、茶にそえて(それが決して酒だと他に知られぬようにして)秘かに飲ませよ。

要するに病気の時だけ、こっそりと飲め、とのことだそうです。やったー! 勝手な解釈からすると、難病の私はお酒OK!! 私の病はお酒で助けられている。このお言葉、大事にいたします。

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今回の旅もエネルギーに満ちた、心に残った素敵な旅になりました。充電したこのエネルギー、皆さんにも分けますね! そして最後のオチが素敵でした!

<2024年5月1日 日本酒大好きな加瀬玲子>


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