夏期集中発声講座を終えて
8月4、5日の計10時間にわたる発声講座が無事終わりました。“集中講座”の名の通り、参加された皆さんの集中力は素晴らしく、講師の私も充実した10時間を過ごすことができました。
皆さんの職業もバラエティーに富んでいて、役者、ナレーター、アナウンサー、僧侶、葬儀司会、演劇部の学生、演劇部の顧問、大学の数学の先生、朗読の講師、オペラ歌手、等々……。皆さん、仕事に声を使っていらっしゃるので、声に関する意識が高く、問題をきちんと抱えてワークショップに参加してくださいました。
質問も非常に具体的でした。皆さんがいかに声を大事に思っているかということがとても嬉しく、そして何よりその意識で行なうレッスンはとても楽しかったです。
こちらからの質問、皆さんからの質問、質疑応答が飛び交う中、レッスンは順調に進みました。
その中で、例えば、皆さんの声の悩みや知りたい発声を私がその場で実演してみます。そして、どうすればそのような発声になるかを説明するのです。
平べったい声やキンキンカンカンしたうるさい声、高い音色なのにピッチは低い声、逆にピッチは高いのに低い音色の声、芯のある声と芯のない声、ゆっくりしゃべっても間延びしない声、息をちゃんと吐けないお年寄りの声、後ろ側に届く声、遠くに届くウィスパー、……。
実際に発声して聴いてもらうことでより具体的に伝わったみたいです。いつもより、私のヴォイスパフォーマンスの時間が長かったかもしれません(これは実は私の楽しい時間)。
最後は皆さん、ばてばてでした。参加者の一人は2日目に、「不眠症だったのに、昨夜は9時から寝てしまった。」と仰っていました。また、広島からいらしたオペラ歌手は帰り際に、「内容が濃くて。」と伝えてくださいました。
とにかく、内容の濃い、充実したワークショップになったと思います。みなさま、お疲れ様でした。
今回ご参加いただけなかった方も、もう一度知りたい方も、また、このようなワークショップを企画いたします。その時には是非参加してくださいね。
<2012年8月9日 加瀬玲子>
これは2012年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。