ペルー 2 高山病
さあ今日からクスコです。土器達との出会いの興奮のまま飛行機に乗った私達(今回は旦那と一緒)ですが、飛行機から見たアンデスの山々の自然の素晴らしさにしばし心を奪われました。私はネパールが大好きで、何度も足を運んでいるのですが(残念なことに今は治安が悪いので、ここ数年行けません)、ヒマラヤとは違う印象を受けました。何がと尋ねられてもうまく説明できませんが、しいて言えば、勇壮なヒマラヤに対して、調和のアンデスかなと思いました。でも、私達が見たのは、リマからクスコへのほんの少し、しかも飛行機からなので、あまり的確ではないかもしれません。
さて、日本を発つ前に一番心配していたのが、高山病です。クスコの標高は3,400メートル。未知の高度です。ヒマラヤでのトレッキングでも、軟弱な私は、せいぜい2,000メートルちょっとの所しか行っていないし、富士登山も計画だけで流れてしまい登っていないし。とにかく元々が喘息持ちの私を、皆が過剰なほどに心配してくれていたので、私自身も皆に言われるまま心配していました。
ところが、クスコの空港に着いた途端、息が吸いやすいのです。信じられない現象です。酸素は平地に比べ3割ほど少ないそうです。でも私の気管支や胸はどんどん開いていき、背中や肩、首の絞まりも、何もしなくても楽になっていくのです。一方私の旦那は、空港の最初のスロープでいきなりハーハー言い始めました。思わず、本気?と聞くと、息がきれて、ちょっとのスロープも辛いと言うのです。
私が楽だったのは普段の「呼吸」のお陰で、少ない酸素でも身体全体に息を届かせることが可能だったからだと思います。私にとっては酸素の絶対量が少ないマイナスの面よりも、気圧が下がったことにより、身体の中が膨張して、普段より気管・胸・背中などが開いたプラスの面の方が大きく、より楽に息ができるようになったのではないかと思われます。とにかくそれまでの心配は私には杞憂に終わりました。旦那は、丸一日頭痛に悩まされました。
ちょっとした高山病はだいたい1日で楽になってくるそうです。1日めに無理をしたせいで、その後酷い高山病になってしまう人もいるそうです。とにかく着いた日は、なるべく無理せずに順応させるのが一番です。あわてずにゆっくりと行動しましょう。ちょっとでも息が上がったら休む。これだけでかなり高地順化できます。
私達の泊まったホテルのロビーには、コカ茶がいつでも飲める状態で用意されていました。コカ茶は高山病の予防に良いと聞き、水分の補給時には、このコカ茶を飲みました。何処かで飲んだことのある漢方薬のようなハーブ茶のような味でした。好き嫌いがありそうな味ですが、私はとても気に入りました。
<2005年3月27日 加瀬玲子>
これは2005年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。