奄美大島 5 最終日
素敵な日々の最終日は、抱いて演奏できる小さな琴を制作されている盛島さんに会いに行きました。自由人の代表のような盛島さん。その弾き方も完全に自己流で、自分の思うがままに楽しんでいらっしゃいました。
「だいたい、明治維新で西洋音楽が入って来ておかしくなった。音楽はこうでなくちゃならないっていうのが間違ってる。音楽は好きにやるのが一番だ」と盛島さん。
私の尊敬する小泉文夫先生(民族音楽学者・故人)も、『日本音楽の再発見』の中で、日本の音楽教育の西洋音楽への偏りに対して、いみじくも同じことを仰っています。日本を代表する学者と、音楽がただ大好きなだけの人の言葉が同じだなんて、素敵じゃありませんか。
他にも、盛島さんの言葉の一つ一つが私には得心がいくものだったり、発想が面白かったり(失礼)。とにかく、楽しい時間でした。わんちゃんも自由犬でかわいいでしょう!
奄美で最後に訪れたのは、奄美きょら海工房。初日の夜に民謡を聴きに行ったお店でお会いした、松山さんが経営なさっている純黒糖のお店です。
こちらでは、お店の裏の工房で、さとうきびから手作業で黒糖を作っています。早速見学させてもらいました。そして出来たての黒糖を一口。まだ暖かいままで、甘いのにしょっぱい。何とも言えない味です。そして、さとうきびを搾っただけの、搾りたてのさとうきびジュース。天然、無添加、出来たて。
どれをとっても美味しそうでしょう? そう、甘いものが苦手な私でも美味しく頂けたのですから、びっくりです。
私はそもそも、甘いものが食べられません。単に「嫌い」ということではなく、甘いものを口に入れた瞬間から具合が悪くなるのです。ところが、どうでしょう。この純黒糖は、その具合の悪さが全く起きません。
私は、呼吸や発声、歌唱、演技指導の一環として、トータル的に生徒さんの身体の面倒をみるために、食事についてのアドバイスもしています。そんな中で、実は黒糖に関する質問には答えられませんでした。一般的に甘いものは身体に良くないのですが、黒糖は例外だと言われています。だから「黒糖なら食べてもいい?」と生徒さんたちから何度も尋ねられたのですが、これまでは「わからない」としか答えられなかったのです。でも今後は、「“純”黒糖なら大丈夫」と身をもって言えそうです。
沢山の思い出やエネルギーを充電して東京に帰って来ました。
奄美の皆様、自然、ありがとうございました。
<2011年6月18日 加瀬玲子>
これは2011年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。