ネパール
ネパール・インドの旅を終え、長らくお休みしていたスタジオに戻ってまいりました。
私にとって、一年の垢を落とし、エネルギーを充電するのに最適な場所がネパールです。特にカトマンズのブッダの眼があるボダナートは、私の行ったことのある場所の中で、最高にヒーリングの力を持っている場所です。宗教心の強い人たちや身体の不自由な人たち、具合の悪そうな犬まで、このパワーを貰いにこの場所を訪れているように思われます。
もし、ボダナートを訪れる機会があったなら、特別に呼吸に集中するよりも、ぜひ、身体全体からこの素晴らしいエネルギーを感じてください。何も考えず、ただひたすら感じる。それだけでよいのです。ブッダの眼に包まれ、身体や心に溜まった不必要なものを取り除いてください。
<2001年4月14日>
パシュパティナート
チベットの巡礼地であるボダナートと同じように、ネパール最大のヒンドゥー教の寺院であるパシュパティナートも、エネルギーが強い場所の一つです。パシュパティナートは、ガンジスの支流でもある、バグマティ川の川岸にあり、そこには火葬場もあります。
寺院は、ヒンドゥー教徒以外は立ち入り禁止です。寺院の内や川からは、私たちよそ者を寄せ付けない、威厳のようなものが立ちこめています。少し離れた丘の上から、ぜひこのエネルギーを感じてください。
<2001年4月28日>
ムリガスタリ森
パシュパティナート寺院には、野生の猿たちが沢山生息しているムリガスタリ森があります。この寺院を訪れたら、必ずこの森にも足を運んでください。
ヒンドゥー教3大神のひとりであるシヴァは破壊神で、さまざまな化身を持っていました。獣の王という意味のパシュパティもその化身のひとつで、シヴァはこの森をこよなく愛し、金の角をもつ鹿「パシュパティ」となってこの地に遊んだのです。そのため、この地域一帯は今でも鹿の住みかという意味のムリガスタリと呼ばれています。
寺院の他宗教を受け付けない、尊厳のあるエネルギーとは違い、森は身体や心を癒す、優しいエネルギーに満ちています。木々の間に身をまかせ、「大地呼吸」をしましょう。大地や空のエネルギーを取り入れ、自己治癒能力を増す呼吸です。
大地呼吸の後には、丹田の前に手を置き、中心呼吸をします。そして、その手を自分の治したい部位に当て、その手からエネルギーを吸い取るように呼吸します。
<2001年5月16日>
ナガルコット
カトマンドゥから東に一時間ほど車で走ると、標高約2100mのナガルコットがあります。ここからのヒマラヤの眺めは素晴らしく、特に朝日と夕日に照らされたヒマラヤは、言葉では言いあらわしようのない美しさです。朝の冷気の中で、陽が昇るにつれて、刻々と色が変わっていく様を眺めていると、それだけで身体の中にエネルギーが満たされていくのを感じます。
朝日に向かって、手のひらを太陽に向け、太陽呼吸をします。太陽のエネルギーを、おでこ、頭の後ろ、背骨を通して、丹田に集めます。一日のエネルギーの充電です。
<2001年5月26日>
ゾウ、トラ、ウシ、シカ
ゾウ、トラ、ウシ、シカ。ネパールの文字はややこしく、お札を数字で見分けるのは至難の業です。そこで私たちは「ゾウさんは1000ルピー」というように、絵柄で見分けていました。
お札の表に印刷された王様は、羽のついた帽子をかぶり、眼鏡をかけたおじさまで、レストランなどでよく見かける王妃と対で飾られている写真よりもずっと気さくで優しそうでした。
その方たちが亡くなり、パシュパティナート寺院の向かいにある火葬場の王族専用の石段で焼かれ、遺灰は聖河バグマティ川に流されたのです。合掌。
<2001年6月9日>
アンモナイト
ネパールには宗教的、政治的な理由で、チベットからやってきた人たちがたくさんいます。チベット料理のレストランもいたる所にあって、特にタメル地区にある大衆食堂のモモ(チベットのギョウザ)は絶品で、日本に帰ってきても「あのモモが食べたい!」と夢に見るほどです。
「アナタタチ、ニホンジン?甘納豆アルヨ!」と、チベット人の親子が声をかけてきました。断っても「ミルダケ、ミルダケ」と、なかなか強引です。取り出した物をよく見ると、アンモナイトでした。
「4億年から5億年前、ヒマラヤの頂上は海だったんです。だから、ヒマラヤに生きる人々は珊瑚や貝を身に付け、アンモナイトを祀って、幸福のシンボルにしているのだそうですよ」そう言って、アンモナイトの化石をお土産にくれたMさん。Mさんのおかげで、私たちはネパールに出会いました。形見となってしまったアンモナイトは、今もスタジオに飾ってあります。
<2001年6月23日>
これは2001年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。