ペルー 4 マチュピチュ 1
マチュピチュ 1
クスコの2日目はスペイン軍の破壊から逃れた貴重な遺跡、空中都市マチュピチュの1日ツアーです。朝早くから観光列車に乗り、マチュピチュ近くの村アグアス・カリエンテスまで行き、そこからバスに乗り換え、10時頃にマチュピチュ遺跡群の入り口の前に着きました。もっと素朴で神聖な処を想像していたのですが、とにかく笑ってしまうほど観光客が多く、次々と団体客ご案内の雰囲気です。スペイン軍から逃れられたマチュピチュも、観光客からは逃れられなかったのですね。そんなことを言ってる私も観光客という征服者の一人なのですが。
マチュピチュ遺跡群の中に入ると、サント・ドミンゴ教会で感じたような悪いエネルギーはまったく感じられません。実は、サント・ドミンゴ教会だけではなく、クスコの近郊で、それ程ひどくはないのですが、場所によっては、軽いめまいと吐き気を感じていたのです。でもマチュピチュはまったく違っていました。とても気持ちの良い山のエネルギーに囲まれ、どんなにここで時間を過ごしてもいい気分です。もし観光客がいなかったらと、自分を棚に上げて思ってしまいました。多分クスコの街も、スペイン軍に制圧されなければ、のんびりした平和な気持ちの良い街だったのだろうなと想像できます。実は私たちは、最初は一泊二日でマチュピチュに行く予定を組んだのですが、ペルーのガイドを長年していた方から、そんなに見るところはないし、遺跡の中のホテルは高いし、近くの街アグアス・カリエンテスには泊まれるがそこはお勧めではないと言われていたので、日帰りに変更してしまったのです。観光客が帰った後か、次の日の朝早くにここに来たかったと思い、ちょっと残念でした。
それにしても不思議です。わざわざこのような山奥になぜ人がたくさん住む必要があったのか。色々な説があるようですが、文字を持たなかったインカの人達が本当は何を考えていたのか、誰にも真実は分からないのです。
それにしても急な段々畑です。こんな崖にたくさんの畑、どうやって切り開いたのか、高所恐怖症の私にはとても考えられません。マチュピチュから望むことの出来るウルバンバ川を見ようとすると、そのまま川まで落ちて(跳んで)しまいそうな、急な斜面の遥かかなたの下の方に見えます。膝を真っ直ぐに伸ばして望むことは到底できません。得意の股関節から折って腰を入れ、下半身をしかっり大地に着けて覗いてみました。川は思ったより細く、たくさんの木々に囲まれていました。ウルバンバ川は、密林に覆われたジャングルだそうです。この角度だと川からは到底この遺跡を望むことはできないでしょう。
今度は上を見て周りを見渡せばこれまた断崖絶壁。マチュピチュの写真には必ず登場するワイナピチュはとても尖った山でした。この山は登ることができ、頂上からの眺めは最高だと聞きます。でも高い所の得意な人にのみ許された登山だと思います。過去に数人落下しており、また落雷にあい命を落とした人もいると聞きました。頂上から眺めてみたいとは思いましたが、時間と心の準備がなく、今回はやめました。だいたい2時間位みれば往復できるそうです。
これだけの崖に囲まれていれば、周りからはこの都市を望むことは確かに難しいと思います。成る程、空からしか見えない、空中都市マチュピチュなんだと得心がいきました。
<2005年5月4日 加瀬玲子>
これは2005年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。