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クリッピング食生活と身体

食生活と身体の改善 勉強会 10

食生活と身体の改善の勉強会が始まってから1年と2か月が経ちました。

2014年5月31日(土)、今回は参加者のみなさんが、ここで学んだことを日々どのように取り入れて実践しているのか、そしていかに改善しているのか、現在の身体の状態もあわせて報告し合いました。

AさんとPMS

Aさんは22歳の女性(歌手の卵)です。PMS(月経前症候群)という病気だと自覚せずに、長い間PMSの症状に苦しんできました。

『PMS』とは…
月経前に起こるさまざまな不快症状で、原因はホルモンが関係していると考えられています。症状は人によってさまざまで、ゆううつやイライラといった精神的なものから、下腹部や腰の痛み、吹き出物、乳房のはり、便秘や下痢、眠気、頭痛、顔や手のむくみ、食欲亢進などが挙げられます。

あまり聞きなじみがなく、世間の認知度も低ければPMSの当人も病気だと自覚しにくいのが、もうひとつのつらいところでもあります。

→玲子先生「PMSはわかってもらえないことが多い。世の中でも重要視されていないのかも」

玲子先生は国内医学論文情報のインターネット検索サービスで、登録したキーワードが含まれる新しい論文のタイトルや抄録が定期的にメール配信されるようにしていて、ご自身の再生不良性貧血やSLE(永井の病気)などを登録しているそうですが、PMSについては、「ほとんど新しい情報が入ってくることがない」とのこと。最近言われるようになった病気で研究もあまりされていないのではないか、とおっしゃっていました。

Aさんは精神的に不安定になることがあり、その時の暴食がひどかったそうです。しかも、味が濃くないと満足できない、味付きのものにさらに塩をかけて食べたりするほど味覚も狂っていました。そして、一日中ベッドから起き上がれない、元気になろうとしてもなれない自分を責めて、また落ち込んでいく、自分はうつ病だ、と思っていたそうです。

→玲子先生「元気な人には元気じゃない人の気持ちはわからない。」

PMSであることが分かったのは、玲子先生の「(気分の落ち込みに)波がない?」の一言からでした。よくよく自分を観察してみると、症状が出るのは決まって生理前。婦人科に行ってみて、自分がPMSという病気だったことを知ったのでした。「不調の原因がわかったことが本当に嬉しかった」とAさんは言っていました。

→玲子先生「病気の原因は様々で、本人のせいじゃないことも多々あるけど、結局は自分の問題だから自分で何とかするしかない。元々持っている体質であれば出さないようにし、環境を変えなければ治らないのであればその環境を変えるべく努力しなければならない。具合が悪いのには原因があるのだから、それを追及する必要がある。病気とわかれば、その病気の対処法がある。」

「中には、逃げ道として病気になる人もいる。病名をもらうことで安心する人もいる。病気に甘える人もいる。でも病気のせいにしていいのか?と思う。そういう寿命までをきちっと生きようとしない人は多い。自分で救えるはずの病気で寿命の前に命を奪われるのは悔しいこと」

Aさんが実践したこと

肉類、乳製品、化学調味料、砂糖の入ったものを食べることをやめた。

→玲子先生「乳製品は牛の乳からできている=妊娠中の牛からの搾乳が多く、妊娠牛の乳には多量の女性ホルモンが含まれている。PMSはホルモンが関係する病気なのでまずは避けた方が良い」

  • 冷えをとる
  • 青魚を積極的にいただく(婦人科系の病気に良いとされている)
  • 暴食の習慣を絶つため、食べる順番を工夫した
Point

PMSと血糖値には密接な関係があります。血液中の血糖値(ブドウ糖)が下がると、集中力や忍耐力など脳の働きを弱めます。身体を動かす指令や気力も弱まります。そこで長い時間炭水化物を含む食事を摂取しないと、脳は危機感からアドレナリンを出し、身体に蓄えられていた糖を血中に放出します。PMSの人の場合は炭水化物をを含む食事を通常より短い時間摂取しないだけで、アドレナリンが出てきてしまいます。そしてアドレナリンの作用により興奮状態になり、いらいらしたり、パニックを起こしやすくなるのです。身体は飢餓状態ですからとにかく食べたい、炭水化物、炭水化物と思うようになります。我慢できずに食べ、食べたことに対してまた自己嫌悪で落ち込み、それなのに短時間でまた空腹を感じる。この連続になるのです。

そこでAさんは、血糖値をコントロールすることを考えました。食事の10分くらい前にアーモンド(素焼き)3粒を食べてから食事をするようにする。野菜を先に食べるのも良いそうです。炭水化物は糖なので、真っ先に食べるのは避けます。

  • 外出時にもアーモンドを持ち歩く。
  • おにぎりを持ち歩くときは、混ぜご飯にして、なるべく色々な具を入れる。
  • 婦人科で処方される薬を症状と相談しながらフェイドアウトした。
結果

この食事と生活を始めて半年目くらいから変化が見えてきました。暴食に走ることがなくなり、気持ちも深く沈むことが減っていったそうです。そして今では、「少なからずみんながある」という程度にまで症状が軽くなったそうです。Aさんは、「何年も悩んできたものがなくなった。そして最近明るくなったと言われることが多い」と言っていました。

玲子先生は「PMSは食事と呼吸で改善できると思う。食事と呼吸の成果が身体に出るまでには3か月~半年はかかる(*永井も3か月目から血液検査の結果が好転していきました)。ここまで来るには、山あり谷ありを何度も繰り返して、その中で少しずつ谷が減っていった。Aさんは歌を習うためにここに来たけど、歌や芝居はその稽古だけをしても成長しない。根本的に良くなろうとしないと成長していかない。心を開いてやるものだから、その人自身の成長が大切。まずはどうAさんの心を開かせるか、それは信頼関係があるからできた」とおっしゃっていました。

玲子先生からアドバイス

「良くなったから終わりではない。今までは狂った味覚を整えるため、肉類、乳製品、砂糖、化学調味料を一切排除してきたが、今はだいぶ整って本能が出てきた。調子の良い時に、落ち込むこと覚悟で乳製品など、本当にダメなのかどうか、試してみても良いかも」

Iさんと甘いもの

Iさん(女優)はアトピー性皮膚炎と喘息を持っています。玲子先生が「私と同じくらいひどい」と言うほどのアレルギー体質です。今までも何度か紹介していますが、甘いものが大好きです。現在、普通の薬、ぬり薬、抗アレルギー剤は飲んでいる、とのこと。

子供のころから人一倍寒がりで、家族の中でも自分だけが寒いと感じることもあり、「寒い」ことを感じないように我慢して生きてきたIさんでした。しかし、この勉強会で身体を冷やさないことの大切さを学び、「私は寒い」と認めたことは、Iさんにとってとても大きな一歩だったそうです。

呼吸が深まってきたお陰で、喘息の薬の依存もなくなりました。息が吸えないことに慣れすぎていましたが、「息が吸えることの身体の楽しさを初めて知った」そうです。

→玲子先生「喘息の発作は、体力がないと対処できない。発作の時は炎症と浮腫で気管がとても狭くなっている。筋力がないと吐けないし吸えない。発作の理由は様々だけれど、呼吸に気付き実践していくことで、確実に喘息は楽になります」

しかしIさん、「まだ混乱しています」という言葉の通り、体質の改善のために、身体を冷やさない、免疫力を高める、そのために食事と睡眠が大切なのはわかる、実感もあるけれども徹底できていない。砂糖の依存も抜けない。食べるなら純黒糖のものにするなど、工夫はしているが、少しで止めることができない。食べ過ぎてしまう。「自分の中に、コントロールできないものがある」と苦しんでいました。

→玲子先生「砂糖はすごく陰性。アレルギーをひどくする。ガンにもNG」

玲子先生からアドバイス

「そういう体質(アレルギー体質)に生まれちゃったんだからしょうがない。でもそれに甘んじてはいけない。病気を出さないようにコントロールするしかない。

炭水化物を摂っていれば、身体的には糖質は足りている。Aさんのやったやり方、血糖値の上げ下げを緩やかにするために、食前にナッツ類を食べたり、食べる順番を考えてみたらどうだろうか? 食べる順番でかなり違うはず。口さみしい時は海苔(*焼き海苔)を食べるのもおすすめ。海苔は海のミネラル。毎朝海苔1枚食べるのを習慣にしている生徒さんがいるが、すごく簡単でお手軽、良い習慣だと思う。

砂糖は中毒性のものだから、欲求を絶てるようになるまでには時間がかかる。このやり方で暴食を防げるか、とりあえず1か月やってみて。」

Aさんも最初の1か月を乗り切ったら、ずいぶん楽になったそうです。

後日談

勉強会の一週間後ですが、Iさんから報告がありました。「毎朝と口さみしい時に海苔を食べる、食べる順番を工夫する」を実践したところ砂糖への欲求が見違えるように減ったそうです。良かった!!

Kさん

17歳~22歳の3人の息子さんを育てている女優さんです。子宮頸がんを患われたことがあります。

勉強会以降、玄米食にされたそうです。朝食は、ヨーグルト、根菜類、お味噌汁。作り置きして食べているそうです。昼食は、おにぎりを持参。夕食は、皮膚が敏感になり、以前は毎晩のように飲んでいたビールが飲まなくてもOKになったそうです。野菜を中心に、玄米、納豆を食べることが多いそうです。

牛乳はやめたそうです。しかし、アイスは食べたい。

→玲子先生「冷たい飲み物をガブガブ飲むよりかはいい」

変化

リズムが作れる食事になったそうです。「仕事で、根気、気力、集中力が続かなくなってきていた」が、「体調が悪い時に玄米がゆを食べたところ、すごく良かった。細胞が元気になる感じ。行きわたる感じ。」今では朝食のお味噌汁も欠かせないそうです。

以前よりも、「身体と会話ができるようになった」とおっしゃっていました。同時に、「肉類やロケ弁の匂いがダメになった」そうです。

玲子先生からアドバイス

「夏バテ防止に向けて、陰性のものを少しずつ増やしていっては。陰性の野菜類も火を通して塩分を加えることで陽性に傾く。」

玲子先生は、夏の間、冷奴と枝豆を食べることが多いそうです。(大豆は陰性)

お漬物も良い(塩&発酵食品)

Yさん

Yさんはリウマチとシェーグレン症候群を持っています。娘さんがこの春に大学を卒業して社会人になりました。

勉強会以降も、自己管理できなかったそうです。この4月にはのどに炎症を起こし、化膿して膿がでて、抗生物質を1か月以上飲んだそうです。

『住むところは自分の身体を置くところ。とても大切』と第3回目の勉強会で学びました。Yさんは11年住んでいる家に自分の体調不良の原因があるとわかっていました。玲子先生からも再三「真剣に考えた方がいい」と言われていたのですが、住み続けていました。

ストレッチもやらない、呼吸もやらない、代謝も落ちて、食事、環境、何も変えずに身体は悪くなっていきました。筋力も落ちて、「怖くなった。90歳の身体だった。」

この勉強会の週にやっと引っ越しをしたそうです。「もう一度、生き直したいと思う」と言っていました。

玲子先生からアドバイス

「一からちゃんとやってください。せっかく新居に移った。今までは住まいがマイナスになっていた。これで良くならなかったら本人のせい。自分で身につけてやっていくしかない。」

娘さんが社会人になり子育てがひと段落したYさんでしたが、さみしく感じることもあり、なかなか自分に意識が向かなかった、とのこと。そのことについて、「子供は親離れしているのに、親が子離れしていない。自分に目標を持って!」

S姉妹のお姉さんMさん

今回の勉強会は欠席でしたが、代わって玲子先生から報告がありました。

高校生くらいから生理が止まってしまい、何年も悩んできたMさんでしたが、何年かぶりで生理がきたそうです。しかも、規則正しく2か月連続で!

良かったですね!!

うこぎの成長

前回の勉強会でご紹介した『うこぎごはん』に使われたうこぎ。枝をいただいて帰り、挿し木にして我が家でも育てています。5本いただいたうちの1本が無事に成長しています。

隣に写っているのはポトス。これもスタジオで切りわけていただいたものが根付き、元気いっぱいに育っています。

感想

食事に関する私の変化は今まで何度か書いてきたので、今回は、食事以外で感じるようになったことをご紹介してみます。

  • 繁華街の空気の悪さやたばこの煙、地下鉄の空気などがダメになり、マスクが手放せなくなりました。
  • 病気が見つかる前よりも真剣に呼吸とストレッチをするようになったので、声が出しやすくなりました。子供の頃からこもった声で抜けが悪かったのですが、最近「声が通るね」と言われることが増え、驚いています。
  • 体重は減ったのに、ウエストは太くなり今まで履いていたスカートがきつくなりました。
  • 食べ過ぎて横隔膜が動かなくなり、息がまわせなくなることの怖さがわかりました。=食べ過ぎに注意するようになりました。
  • 植物にほっとするようになりました。
  • ピンチのときは丹田に頼るようになりました。最近丹田との信頼関係が深まってきたように感じます。
  • 色も気にするようになりました。洋服や持ち物など、色の作用を意識して選ぶようになりました。
  • 寒い、冷えることに敏感になりました。
  • 冷えてから温めるのは大変、体調を崩してから治すのも大変です。そうなる前に予防する、未然に防ごうとする意識が芽生えました。

これからも目標を持って、しっかり続けていきたいです。今回も長時間ありがとうございました!

参加者

Aさん Iさん Kさん Yさん

<2014年7月1日 永井若葉>

これは2014年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。

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