奄美大島 4 大島海峡
今日も朝から最高のお天気です。ゆっくりと朝食を頂いた後、のんびりとコーヒーを飲みながら海辺にいたらびっくり、2時間以上もぼーっとしていたことが判明。この海は心も身体も本当にのんびりとさせてくれます。
まる一日をここで過ごしてもよい気分だったのですが、熱帯魚や珊瑚を間近に観察することができる半潜水船があると聞き、出かけました。
船の発着所のある古仁屋まで、ホテルのモーターボートで海からの移動です。途中、奄美大島と加計呂麻島にはさまれた大島海峡に面した美しい入江、呑之浦(のみのうら)を抜けていってもらいました。
この呑之浦には、第二次大戦中、モーターボートによる特攻の基地があったのです。私事ですが、亡き父はこの特攻隊員のひとりでした。長崎の諫早からこの島に渡り、特攻の待機をしていたらしいのです。状勢が変わったから待機しろと言われ、待った末の終戦だったそうです。当時18歳だった父や仲間たちがどんな気持ちでここにいたかと思うと、涙が出て止まりませんでした。
大島海峡の海中は、それはそれは美しい珊瑚や魚たちに覆われていました。私もこの生き物たちと同じ生き物だと思うと、心も身体も清く美しく生きなければと前向きな気持ちになれます。人のエゴが自然を破壊するのではなく、共に生きられる道に進んで行きたいですね。
夕方に、ヤドリ浜から岬の裏側のホノホシ海岸に行ってみました。
ほのぼのとしたヤドリ浜のすぐ隣だとは思えない力強い波です。この海岸は太平洋側に面していて、海岸の石は全て丸くなるほどの強い波で、押し寄せ引く波の音は、この石にぶつかり石が転がり、砂浜では聴くことのできないごろごろとした音です。
実は「ホノホシ」を「ホノボノ」と読み間違えた人から話を聞いていた私は、全然ほのぼのじゃないじゃないと思ったのでした……。
<2011年5月2日 加瀬玲子>
これは2011年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。