ペルー 6 デスパチョとコカ占い
ガイドの鈴木さんから、クスコでやりたいことを尋ねられ、すぐにお願いしたのが、呪術師か占い師に会うことでした。インカの時代から培われた祈りや療法などが見られたら、と思ったのです。鈴木さんは、知り合いのクランデーロ(シャーマン)に会う段取りをしてくれました。クランデーロの名前はルーカスさんといいます。ルーカスさんは、病気を治す(クラール)こともしており、土地に根付いた、私の一番会いたかった本物の呪術師です。
デスパチョとコカ占いをして貰いました。デスパチョはオフレンダとも呼ばれ、大地の母パチャママに感謝の気持ちを込めて供え物を捧げる儀式です。人々は大地から穀物など沢山の収穫物をいただき、そのお礼にパチャママの大好きな甘いお菓子などを捧げるのです。クスコでは、収穫が終わって、大地がお腹をすかせている8月に行なわれるそうです。大地の母にお礼を言わないと、パチャママは人間に害を与えてしまい、逆に感謝してお供えをしていれば、良いことが起こるそうです。
ルーカスさんはチチャというとうもろこしから造った地酒とタバコをお清めに使いながら、捧げ物を盛っていきます。たまにコカの葉を噛んでいます。私は言われるがままに、立ったり、コカの葉に祈りを込めたりしました。お供えの包みを丹田の前で抱え、また、お祈りです。その包みは燃やされます。その包みの中身がすべて灰になれば、パチャママが私のお礼や願いを聞き入れてくれた証拠だそうです。ありがたいことに、すべて灰になっていたと、ルーカスさんが終わってから教えてくれました。私は灰を見ていないので真偽の程は明らかではないのですが、良いことは素直に受け入れようと思います。
コカ占いは、お供え物を燃やしている間に行なわれます。ルーカスさんが私が聞きたいことを想いながら、コカの葉を投げるのです。表、裏、飛んだ場所、などから判断します。デスパチョもコカ占いもこれ以上説明できません。ごめんなさい。写真を見ながら、想像してみてください。
写真を見てびっくりしたことがあります。カメラやレンズの汚れではない謎の球体が、大きさや濃さを変えて、何枚もに写っていたのです。皆さんこれ何だと思いますか?
さて、私の大好きな画家クレーが、プレインカ、インカの作品に触れて残した言葉を、クスコ最後の日に博物館で読みました。クレーの絵の中に登場する宇宙人のような人達は、プレインカの土器を素材にしていたのかもしれません。
I wish I was newly born, and totally ignorant of Europe, innocent of fact and fashions,to be almost primitive.
<2006年5月23日 加瀬玲子>
これは2006年のクリップです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。