芝居づくりワークショップに向けて
2008年7月5日
高校演劇について書こうと思いながら、中断してはや4年が過ぎてしまいました。でも今回のワークショップで、その答えの一部なりとも紹介できると思います。学生や指導者、またはそれに準じる方なら、見学での参加、特定の回のみの参加もアリにするつもりです。興味をもっていただけたならどうぞ遠慮なくお問い合わせください。
今回のワークショップは、役者が芝居をどうつくっていけばよいか、どう構築していかなければならないかを、木野花(きの・はな)さん作『櫻の園』を題材に、実際の芝居の稽古どおりに具体的に追っていきます。
役者・演出家としてご活躍の木野さんですが、実は数年前まで「木野花ドラマスタジオ」を長年にわたって主宰し、役者を育ててらっしゃいました。そこでは年に2本もの作品が上演されていたのですが、その戯曲はいずれも、どんな芝居を稽古すれば役者として勉強になるかを考えて、木野さん自身が書かれたものでした。いつも感心させられたのですが、すべての登場人物が主役と端役ではなく、それぞれが主役になり得る書き方がされているのです。どういう役者(生徒)がどの役をやっても面白くなり得るようにきちんと書かれているのです。すべての人物がこれだけ書かれている本はなかなかありません。
私が以前観た高校演劇は不条理劇でした。勉強しなければならないことが多い貴方たちが、今なぜ不条理なの? と、とても疑問に思いました。そしてそのときすぐに思い出したのが木野さんの戯曲だったのです。学生演劇やこれから演技の指導をしなければならない方たちに必要なこと、知っておかなければならないことを、木野花さん作『櫻の園』で学んでください。芝居づくりの基礎ができて、それから自分たちのやりたい芝居や戯曲に取り組んでみるのは、遠回りにはならないと思います。
<加瀬玲子>
これは2008年のお知らせです。終了した内容やリンク切れの場合はご容赦ください。